対談シリーズ 企業内研修の舞台裏から見えてくる、人材育成のヒント
vol.1 北陸電力株式会社様
北電ビジネスカレッジ -次世代幹部育成に必要な経営の視点を磨く会計教育とは

吉成講師から学ぶ「BSアプローチ学習法」について

小木
吉成先生をご紹介いただいて、「世界のエリートがやっている会計の新しい教科書」を事前課題図書に推薦して頂きました。この本を初めて目にしたときに、これまでビジネスカレッジでも様々な会計の本を扱ってきましたが、今までの財務会計の本とは全く違うなと感じました。読んだ瞬間に、吉成先生が本から飛び出してくるような印象を受けました。教室でそのまま受講しているような錯覚になり、感動しました。
吉成
ありがとうございます。
小木
この「BSアプローチ」という初めて聞いた言葉は、読めば読むほど中身が伝わってくるというか、これが強烈なメッセージになって頭の中にこびりつきました。これはまさに目から鱗でした。私も財務会計はそれほど詳しくはないのですが、初心者にとってもすごく読み応えのある本です。
吉成
「BSアプローチ」自体は、私の認識している範囲、海外ではかなり主流になっている会計入門者向けの教え方だと思います。「BSアプローチ」という名称自体は言葉がないものですから、私が名付けたんですけど、ご案内のとおり元々は資産負債アプローチという会計用語がございますが、それをベースにした会計入門者向けの解説手法を指して「BSアプローチ」と呼ばせていただいています。
小木
本当に明快な口調で講義をして頂き、解説もすごく印象的ですし、何よりも初心者でも分かりやすい、理解しやすい点が、本当に嬉しかった。この研修を吉成先生にお願いして良かったなと思っているのです。
先生の講義の進め方の特徴ですが、先生がいつも大事にされている、基本は何度も繰り返す、特に定義はしっかりと捉えるために、繰り返し、繰り返し学ばせる。印象的だったのは、唱和ですね。口に出して言う。これは絶対に頭の中に残り、身に付くものなので。
吉成
北電ビジネスカレッジの場合、受講生の皆さんが最初からかなり大きい声を発声していただけるものですから、とても嬉しいのです。講義の一番最初に発声する様子でだいたいその日のムードが分かるんですよ。しかも、声が揃ってるんですよね。
小木
そうですね、揃ってますね。
吉成
いろんな会社から集まってるのに息が合ってる。非常に雰囲気がいいんです。学ぶということに対する皆さんの意志が明確なんでしょうね。
小木
そのとおりだと思います。
吉成
肯定的ですね。非常に研修に対して肯定的な印象があります。
小木
そうですね、先生には受講者の雰囲気もつかみながら一体となった研修を進めていただいています。受講者の皆さんのアンケートを見ますと、もう時間の経過を忘れたと。吉成先生の講義日数をもっと増やせないかという受講生の方もいらっしゃいまして(笑)

北電ビジネスカレッジ受講生からの吉成先生の講義の感想

小木
研修後のアンケートにも、「BSアプローチ」は初心者にとってすごく分かりやすい一方、経理業務のベテランの方からも、思いもよらないアプローチであり、身に付きやすいし、講義が楽しいという声を頂きました。今回の内容を手本にして部下への基礎教育に使っていきたいという声もございました。
吉成
それはぜひ、使っていただきたいですね。
小木
「世界のエリートがやっている会計の新しい教科書」は、明快で、もう今後手放せません、というコメントも頂きました。
吉成
結局、会計は定義と論理で明確にする。資産と負債の定義さえ抑えれば、もう後は全部、芋づる式に付いてくるんだと、会計はもうそれだけ。やっぱり「習うより慣れよ、いいからやれ、会計とはそういうものだと思ってください」と、ひたすら練習問題を解くようなアプローチが今まで多かったと思います。膨大な経験の蓄積によって、だんだん身に付いてくる、いわゆる簿記技術を先に身に付けるような教え方が多かったと思うんですね。「BSアプローチ」のほうは、頭で理解する。理屈で分かることは、大人だったら1回聞けば分かる教え方だと思います。やはり、会計とか経理に詳しい人ほど、意外と喜んでくださるという傾向があります。
小木
特に初心者の方からは、「今まで何となくモヤモヤしていたものが、すっきりとした」というコメントもございます。
吉成
一番、ありがたい。
小木
私もこの本を手にしたときに感じたことでございます。
吉成
ありがとうございます。恐縮でございます。
小木
「今回学んだ内容を自らの業務で直ちに活かしたい」とか、「部下に対しても説明したい」といったコメントが多数受講生から寄せられています。吉成先生の講義は北電ビジネスカレッジの中でも群を抜く良い評価です。
吉成
相当ハードル上がったと、身の引き締まる思いでございます(笑)。
吉成
受講生の皆様に喜んでいただけるのが、何よりありがたいことです。
吉成
なぜ、資産の定義にあそこまでこだわるか。もちろん論理的思考力のある大人が学ぶから、論理的にすっきりしたいっていうのがもちろんあるんですけれども、実は日本の大企業というのは往々にしてP/Lを重視した部門業績管理する。月次ベース、部門損益ベース、予実対比、前年対比。どの企業もしっかりやってるのは良いことなんだけど、ややもするとどうしてもそこだけに、神経がいきがちです。
 やってることは商売ですから、アセットを活用してリターンを生む。投資利益率こそ大事。しかも資産といったときに、バランスシートに載るアセットと、載らないアセットがある。だから講義の冒頭で、日本語の資産と、会計用語の資産の定義を学んで、日本語の資産ではあるけれど、会計上の資産にはないものを明確にしていく。このような目線が理解できれば、管理者あるいは経営者として、自分の会社或は自分の部門が持ってるアセット、バランスシートに載ってるもの、載ってないものをいかにお金に変えるかというアセットにもっと目を向けられる。それが後半のROEとかROAの話につながっていきます。
北電ビジネスカレッジの受講生の皆さんが、この機会に会計用語の資産の定義、会計用語の資産に当てはまらないけど大事な資産とは何か、といった目線をここで再確認いただいて、部門P/Lだけではないバランスの取れた数字の見方ができるようになって欲しいと思っています。
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